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鰻・穴子・ドジョウのカロリーと栄養素を比較:一番ヘルシーなのは意外にもドジョウでした。

日本人にも馴染みの深いウナギと穴子。どちらも土用の丑の日や江戸前穴子のように昔からよく食べられている魚ですが、味や食感の違いは分かってもどちらが栄養価が高いのか知らない人は多いのではないでしょうか。

そこで今回はウナギと穴子、それにドジョウまで加えた3種類の魚のカロリーや栄養素を調理前・調理後に分けて比較していきます。

ウナギ・穴子・ドジョウのカロリー

鰻と穴子のカロリー
食品名 エネルギー(kcal)
うなぎ 生 255 kcal
あなご 生 161 kcal
どじょう 生 79 kcal

鰻と穴子で比較すると100グラムあたりでは、鰻の方が穴子よりも90kcalほどカロリーが高くなります。ウナギやアナゴは生食をしない食べ物なので直接的な比較にはならないものの、例えばマグロの赤身やサーモンと比べてみると、

  • うなぎ:255kcal
  • あなご:161kcal
  • マグロの赤身:106kcal
  • サーモン:237kcal

うなぎはカロリーが高め、あなごは魚の中ではちょうど真ん中ぐらいのカロリーということが分かります。他にも私たちがよく口にする生魚のカロリーや栄養素をこちらのページでまとめているので、詳しく見たい人はどうぞ。

スーパーのお刺身コーナーで売られている魚の栄養価とカロリーのランキングTOP15:マグロ赤身がおすすめ

ドジョウのカロリーが低い理由2つ

ちなみに上の表でドジョウのカロリーが低い理由の一つはドジョウの大きさにあります(ドジョウは100グラムあたり79kcalしかありません)。

ウナギや穴子は骨や内臓などを処理できるほど十分な大きさがあるので、文部科学省の日本食品標準成分表でも身の部分だけを元にして栄養素が計算されているのですが、ドジョウに関しては個体が小さいので魚体全体でカロリーが計測されています。

※どじょうの注釈欄に「魚体全体」との記載あり

一般的に骨や皮などの部位と比べて身の方が三大栄養素が多く含まれているので、カロリーの少ない骨や皮も含まれているドジョウよりもウナギや穴子の方が高カロリーとなるわけです。

2つ目の理由としては、単純にうなぎやあなごよりも脂質が低いことがその理由にあります。ウナギやアナゴと比べてドジョウがどれくらい低脂質なのか見てみましょう。

鰻と穴子の三大栄養素
食品名 エネルギー(kcal) 水 分 たんぱく質 脂 質 炭水化物
うなぎ 生 255 kcal 62.1 % 17.1 g 19.3 g 0.3 g
あなご 生 161 kcal 72.2 % 17.3 g 9.3 g 微量
どじょう 生 79 kcal 79.1 % 16.1 g 1.2 g 微量

たんぱく質と炭水化物は鰻も穴子も、ドジョウもほとんど変わりません。

大きく違うのは脂質。

  • うなぎ:19.3g
  • あなご:9.3g
  • ドジョウ:1.2g

ウナギは穴子の2倍、ドジョウの16倍ほど脂質をたくさん含んでいます。脂質の多さこそがカロリーの高さに繋がるため、ウナギのカロリーが高いことも納得がいきます。

それにしてもドジョウの脂質は本当に低いですね。高たんぱく質・低脂質・低炭水化物フードの人気が上がる昨今、スーパーフードとしてドジョウに注目が集まる日が来るかもしれません。

「ウナギ一匹、ドジョウ一匹」は本当か:ミネラル類を比較

ドジョウの栄養価の高さを表す表現として「ウナギ一匹、ドジョウ一匹」という表現があります。

何を持って栄養価が高いとするかによってその結果は大きく変わるものの、少なくとも鉄や亜鉛のようなミネラル類ではこの表現通りの結果が伺えそうです。うなぎ・あなご・ドジョウのミネラル類を比較してみましょう。

鰻と穴子のミネラル類
食品名 ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム リン 亜鉛 マンガン
うなぎ 生 74 mg 230 mg 130 mg 20 mg 260 mg 0.5 mg 1.4 mg 0.04 mg 0.04 mg
あなご 生 150 mg 370 mg 75 mg 23 mg 210 mg 0.8 mg 0.7 mg 0.04 mg 0.2 mg
どじょう 生 96 mg 290 mg 1100 mg 42 mg 690 mg 5.6 mg 2.9 mg 0.08 mg 0.38 mg

さすがにドジョウ一匹がウナギ一匹の栄養素とは匹敵しないものの、カルシウム、鉄分、亜鉛などの項目でドジョウがウナギと穴子に大きな差をつけていることが分かります。

特に鉄分と亜鉛の含有量は目を見張るものがあります。

たしかにウナギや穴子もドジョウのように皮や骨まで食べるならドジョウと近しいミネラル類の結果が出る可能性もありますが、身以外の部分を食べるのは現実的に難しいのでミネラル類については全体を食べられるドジョウに軍配が上がると言えるでしょう。

ビタミン類の比較

鰻と穴子のビタミン類
食品名 ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン ビタミンB6 ビタミンB12 葉酸 パントテン酸 ビオチン ビタミンC
うなぎ 生 0.37 mg 0.48 mg 3 mg 0.13 mg 3.5 μg 14 μg 2.17 mg 6.1 μg 2 mg
あなご 生 0.05 mg 0.14 mg 3.2 mg 0.1 mg 2.3 μg 9 μg 0.86 mg 3.3 μg 2 mg
どじょう 生 0.09 mg 1.09 mg 4 mg 0.1 mg 8.5 μg 16 μg 0.66 mg – μg 1 mg

ミネラル類についてはドジョウが大きな違いを見せたものの、ビタミン類についてはうなぎ・あなご・どじょう共に大きな違いは見られません。

調理済みの鰻と穴子の栄養

ここまでは調理前の生魚の状態で栄養素を比較してきました。ここからは調理後の、鰻の白焼き・蒲焼き、蒸し穴子の3種類についてカロリーと栄養価を見ていきます。

鰻の蒲焼・白焼きと蒸し穴子の栄養
食品名 エネルギー(kcal) 水 分 たんぱく質 脂 質 炭水化物
うなぎ 白焼き 331 kcal 52.1 % 20.7 g 25.8 g 0.1 g
うなぎ かば焼 293 kcal 50.5 % 23 g 21 g 3.1 g
あなご 蒸し 194 kcal 68.5 % 17.6 g 12.7 g 微量

3種類の中で最もカロリーが高いのは鰻の白焼きです。脂質の量が25.8gと多いことが影響していると言えます。25.8グラムは結構な量なので美味しいからといって食べ過ぎるのは脂質過多の恐れがあります。

蒸し穴子の方が鰻のいずれの調理法よりもカロリーが低くなっています。これは調理法の違いというよりも、穴子そのものに含まれている脂質の量がウナギに比べて低いことによるのものです。

鰻の身と鰻の肝の栄養価

最後に鰻の部位別の栄養価を比較します。調査したのは鰻の身の部分と肝の部分。鰻の肝は肝焼きや肝吸いにして食べることがありますが、どれくらい栄養価が高いのでしょうか。

鰻と鰻の肝のカロリー
食品名 エネルギー(kcal) 水 分 たんぱく質 脂 質 炭水化物
うなぎ 生 255 kcal 62.1 % 17.1 g 19.3 g 0.3 g
うなぎ きも 生 118 kcal 77.2 % 13 g 5.3 g 3.5 g

カロリーについては肝の方が身よりも半分近く低めです。一般的に身の部分よりも肝の部分の方が脂質は多くなりがちなのですが、鰻の場合は身の部位の方が3倍以上脂質が多くなっています。

鰻と鰻の肝のミネラル類
食品名 ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム リン 亜鉛 マンガン
うなぎ 生 74 mg 230 mg 130 mg 20 mg 260 mg 0.5 mg 1.4 mg 0.04 mg 0.04 mg
うなぎ きも 生 140 mg 200 mg 19 mg 15 mg 160 mg 4.6 mg 2.7 mg 1.08 mg 0.08 mg

ミネラル類については、栄養素によって優劣が変わります。カルシウムなら鰻の身、鉄分・亜鉛・銅については肝の方が数倍〜数十倍、栄養価が高くなっています。

鰻と鰻の肝のビタミン類
食品名 ビタミンK ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン ビタミンB6 ビタミンB12 葉酸 パントテン酸
うなぎ 生 0 μg 0.37 mg 0.48 mg 3 mg 0.13 mg 3.5 μg 14 μg 2.17 mg
うなぎ きも 生 17 μg 0.3 mg 0.75 mg 4 mg 0.25 mg 2.7 μg 380 μg 2.95 mg

ビタミン類で注目したいのはビタミンKと葉酸。

どちらも鰻の肝が鰻の身に比べて圧倒的な含有量をほこっています。特に葉酸に関してはすべての食材の中でもトップクラスに多い含有量です。

まとめ:栄養価が高いウナギとドジョウ

今回はウナギ・穴子・ドジョウの3種類を見比べてきました。カロリーはウナギが一番高く、ミネラルなどのミクロ栄養素はドジョウに軍配が上がることが分かりましたね。

それぞれの魚のより詳細な栄養素は個別ページで確認できるのでそちらもご活用ください。

*データの参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

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