大豆はお米にも小麦にも負けないほどの栄養を含んだマクロフレンドリーな食べ物。
その大豆を加工して作られる大豆製品についてもそれは同じで、豆腐もお米では取りづらい栄養素を含んでいます。
今回は国内で食べる機会の多い13種類の豆腐とその加工食品について栄養価やカロリーをまとめて比較してみます。
目次
豆腐はたんぱく質と脂質を取れる食材
絹ごし豆腐、木綿豆腐、充填豆腐、ソフト豆腐
まずは豆腐の中でも特に食べることの多い、絹ごし豆腐や木綿豆腐などのジャンルを見比べてみます。
ちなみに充填豆腐は絹ごし豆腐に近い柔らかな食感と風味、ソフト豆腐は絹ごし豆腐と木綿豆腐との合いの子のような中間の食感を持つ豆腐の種類です。
食品名 | カロリー | 水分量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
絹ごし豆腐 | 56 kcal | 89.4 g | 4.9 g | 3 g | 2 g | 0.3 g |
木綿豆腐 | 72 kcal | 86.8 g | 6.6 g | 4.2 g | 1.6 g | 0.4 g |
充填豆腐 | 59 kcal | 88.6 g | 5 g | 3.1 g | 2.5 g | 0.3 g |
ソフト豆腐 | 59 kcal | 88.9 g | 5.1 g | 3.3 g | 2 g | 0.4 g |
表を見ると豆腐類のカロリーの低さが目立ちます。同じ量(100g)の白飯が168kcalなので、カロリーだけを見ると白飯の2分の1しかありません。
そのカロリーを構成しているのはたんぱく質と脂質。豆腐にはほとんど炭水化物が含まれていません。
豆腐の原料となっている大豆にはかなりの量の食物繊維が含まれているのですが、豆腐はその製造過程で多くの食物繊維を失ってしまうのです。
豆腐の9割は水分なので置き換えダイエットでの栄養不足に注意
木綿豆腐も絹ごし豆腐も同じように、豆腐はおよそ9割が水分です。
たしかにたんぱく質や脂質はそれなりに含まれていますが、豆腐だけを食べていても十分な栄養は取れません。
カロリーが低いことは必ずしも良いわけではなく、むしろ1日に最低限必要なエネルギーを取れていない場合には脂肪以外にも筋肉が痩せ落ちてしまうので、過度な置き換えダイエットには注意してください。
島豆腐や凍り豆腐もたんぱく質と脂質が多い
島豆腐、ゆし豆腐、凍り豆腐、六条豆腐、豆腐ちくわ
続いて、豆腐のジャンルの中でもより地方色の強い、ご当地豆腐の中から優秀な栄養素を含んでいる豆腐を探してみます。
食品名 | カロリー | 水分量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
島豆腐 | 106 kcal | 81.8 g | 9.1 g | 7.2 g | 0.7 g | 0.5 g |
ゆし豆腐 | 50 kcal | 90 g | 4.3 g | 2.8 g | 1.7 g | 0.3 g |
凍り豆腐 乾 | 536 kcal | 7.2 g | 50.5 g | 34.1 g | 4.2 g | 2.5 g |
凍り豆腐 水煮 | 115 kcal | 79.6 g | 10.7 g | 7.3 g | 1.1 g | 0.5 g |
六条豆腐 | 347 kcal | 26.5 g | 34.7 g | 21.5 g | 3.8 g | 3.2 g |
豆腐ちくわ 焼き | 139 kcal | 68.8 g | 16.1 g | 4.9 g | 7.5 g | 0.7 g |
木綿豆腐のようなメジャーな豆腐と比べて特別、栄養素が高い豆腐はありません。
いずれの豆腐も共通して、低カロリーかつ低糖質で、たんぱく質と脂質が栄養分の多くを占めています。
凍り豆腐(乾燥)のカロリーが536 kcalと群を抜いて高くなっているのは、100gあたりの凍り豆腐に含まれている水分量が少ないからです。
実際、その凍り豆腐を調理した凍り豆腐(水煮)は他の豆腐とほとんど変わらない栄養価となっています。
がんもどきや油揚げは脂質が多い
焼き豆腐、がんもどき、油揚げ
今度は焼き豆腐やがんもどきなど、豆腐を加工した豆腐加工食品の栄養価を見ていきます。
食品名 | カロリー | 水分量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
焼き豆腐 | 88 kcal | 84.8 g | 7.8 g | 5.7 g | 1 g | 0.5 g |
がんもどき | 228 kcal | 63.5 g | 15.3 g | 17.8 g | 1.6 g | 1.4 g |
油揚げ 生 | 410 kcal | 39.9 g | 23.4 g | 34.4 g | 0.4 g | 1.3 g |
やはり豆腐を加工しているだけあって木綿豆腐や絹ごし豆腐同様、炭水化物は多くありません。
ここで注目なのはがんもどきと油揚げで、どちらもたんぱく質よりも脂質の量が高くなっています。特に油揚げはその名の通り、かなりの量の脂質を含んでいます。
まとめ:豆腐類はあくまで副菜として食べるべき
以上、色々な種類の豆腐について見てきました。
たんぱく質と脂質を含んでいて低カロリーなので、主食の代わりに食べてみようかなと思う人もいるかもしれませんが、豆腐単体では十分な炭水化物を摂取できません。
すると三大栄養素の中での栄養バランスが偏ってしまうため、豆腐をメインで食べることは控えた方が良いでしょう。
同じ大豆類の中でもきな粉や納豆などであれば、三大栄養素をバランスよく摂取できるので個人的にはそちらをおすすめします。
ダイエットでも筋トレでも大事なのは、栄養を断つことではなく自分の消費エネルギーに合わせて量を調整することなので、間違った情報を鵜呑みにして健康を害さないように注意しましょう。
*データの参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
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