野菜の中でも栄養価の高いイメージがある緑黄色野菜。ビタミンが豊富そうと思って積極的に食べている人も多いのではないでしょうか。
でも、緑黄色野菜とは具体的にどの野菜を指すのでしょう。色が緑色・黄色・赤色など綺麗な色の野菜は全部緑黄色野菜なのかというとそうではありません。緑黄色野菜には厚生労働省が定めた定義があるのです。
このページでは緑黄色野菜にはどんな野菜が該当するのか、その定義を知った後に、具体的にどんな野菜が緑黄色野菜なのかを一覧でリスト化したものを確認できます。
最後に同じ緑黄色野菜の中で栄養価の含有量ランキングも作成したので緑黄色野菜について詳しく知りたい人はぜひご覧ください。
目次
緑黄色野菜の定義はβカロテンの量が600μg以上
厚生労働省が公表している資料によると、緑黄色野菜に該当する野菜は次の2つの条件のどちらかを満たしているものとされています。
- “原則として可食部100g当たりカロテン含量が600μg以上のもの”
- “カロテン含量が600μg未満であるが摂取量及び頻度等を勘案の上、栄養指導上緑黄色野菜とする”
参考:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」の取扱いについて
1番目に該当するのはβカロテンが600μg以上の野菜。2番目に該当するのは600μg以下の野菜でも、口にする機会が多い一部の野菜でトマトや青ピーマンを指すよう。
2番目の条件については、ある野菜を緑黄色野菜だと確定づけるための数値が存在しないため、ここで紹介する緑黄色野菜は、定義1に当てはまるβカロテンの含有量が600μg以上のものとします。
βカロテン600μg以上の緑黄色野菜は90/173種類
文部科学省が提供している食品標準成分基準表によると、生野菜として登録されている173種類(1つの野菜でも茎部位と葉部位に分けられるものも含む)のうち、私が調べたところβカロチンの含有量が600μgを超えるものは90品目ありました。
これらは1の定義によって、緑黄色野菜と見なされる野菜なので、下記にその一覧をあいうえお順で公表します。
あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 | は行 | ま行 | や行 | ら行 | わ行 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
あさつき | かいわれ大根 | サニーレタス | タアサイ | 長崎白菜 | パクチョイ | 水かけ菜 | ようさい | リーフレタス | わけぎ |
明日葉 | カブ(葉) | サラダ菜 | だいこん(葉) | なずな | バジル | 水菜 | ヨメナ | ルッコラ | |
糸三つ葉 | かぼちゃ(西洋かぼちゃ) | サンチュ | たいさい | 菜花 | パセリ | ミニキャロット(根) | よもぎ | レタス | |
エンダイブ | かぼちゃ(日本かぼちゃ) | 山東菜 | 高菜 | 菜花(洋種) | 葉ダイコン | ミニトマト | |||
おおさかしろ菜 | からしな | しその実 | チンゲンサイ | ニラ(葉) | 葉玉ねぎ | 壬生菜 | |||
おかひじき | ギョウジャニンニク | しその葉 | つくし | ニンジン(根・皮) | 花にら | 芽キャベツ | |||
オクラ | 京ニンジン(根・皮むき) | 十六ささげ | つまみ菜 | ニンジン(根・皮つき) | 葉ニンジン | めたで | |||
京ニンジン(根・皮付き) | 春菊(葉) | ツルナ | ニンジン(根・皮むき) | 葉ねぎ | モロヘイヤ | ||||
切り三つ葉 | すぐきな | ツルムラサキ | 根三ツ葉 | パプリカ(赤ピーマン) | |||||
キンサイ | せり | 唐辛子 | 野沢菜 | 日野菜 | |||||
茎ニンニク | 唐辛子(果実のみ) | ノビル | 広島菜 | ||||||
クレソン | トウミョウ | 不断草 | |||||||
ケール | トウミョウ | ブロッコリー | |||||||
こごみ | トマピー | ブロッコリースプラウト | |||||||
小ねぎ | ほうれん草 | ||||||||
小松菜 | ほうれん草(夏採り) | ||||||||
ほうれん草(冬採り) |
以上が緑黄色野菜に該当するβカロテンの含有量が600μg以上の野菜リストです。
上の表の「た行」を見てもらうと分かるように、同じダイコンでも、大根の葉っぱの部分と根っこの部分では、葉っぱの部分だけが条件を満たす緑黄色野菜、根っこの部分はそれに満たない淡色野菜ということになります。
βカロチンとは何か?
ところで、緑黄色野菜とそうでない淡色野菜とを分ける基準であるβカロチン(Beta-Calotine)とはそもそも何なのでしょうか。
厚生労働省の情報サイトであるe-ヘルスネットに記載されている文章では、次のように説明されています。
カロテンには体内の活性酸素を減らす抗酸化作用があります。またβ-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるので「プロビタミンA」とも呼ばれています。
引用:緑黄色野菜 | e-ヘルスネット 情報提供(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-037.html)
βカロチンは抗酸化作用が期待される栄養素で、体内ではビタミンAに変換されるものだそう。私たちが野菜を食べる理由の一つが、まさにこの抗酸化作用による老化防止なのでβカロテンの含有量が野菜の栄養価を表す一つの指標となっているのでしょう。
βカロテン含有量ランキング第一位は…
では、そんな抗酸化作用を持つβカロテンを一番多く含んでいる緑黄色野菜はどれなのでしょうか。
下にそのランキングを作ってみたのでスクロールして確認してみます。
名前 | β-カロテン |
---|---|
オクラ | 670 μg |
かぼちゃ(日本かぼちゃ) | 700 μg |
茎ニンニク | 710 μg |
芽キャベツ | 710 μg |
レタス | 710 μg |
切り三つ葉 | 720 μg |
あさつき | 740 μg |
ノビル | 800 μg |
ブロッコリー | 800 μg |
パプリカ(赤ピーマン) | 940 μg |
ミニトマト | 960 μg |
つくし | 1000 μg |
こごみ | 1100 μg |
十六ささげ | 1100 μg |
花にら | 1100 μg |
山東菜 | 1200 μg |
野沢菜 | 1200 μg |
日野菜 | 1200 μg |
おおさかしろ菜 | 1300 μg |
葉ニンジン | 1300 μg |
水菜 | 1300 μg |
ブロッコリースプラウト | 1400 μg |
たいさい | 1500 μg |
葉玉ねぎ | 1500 μg |
葉ねぎ | 1500 μg |
エンダイブ | 1700 μg |
トマピー | 1700 μg |
根三ツ葉 | 1700 μg |
キンサイ | 1800 μg |
パクチョイ | 1800 μg |
壬生菜 | 1800 μg |
かいわれ大根 | 1900 μg |
せり | 1900 μg |
つまみ菜 | 1900 μg |
長崎白菜 | 1900 μg |
広島菜 | 1900 μg |
ギョウジャニンニク | 2000 μg |
サニーレタス | 2000 μg |
すぐきな | 2000 μg |
チンゲンサイ | 2000 μg |
小ねぎ | 2200 μg |
サラダ菜 | 2200 μg |
タアサイ | 2200 μg |
菜花 | 2200 μg |
高菜 | 2300 μg |
葉ダイコン | 2300 μg |
水かけ菜 | 2300 μg |
リーフレタス | 2300 μg |
しその実 | 2600 μg |
菜花(洋種) | 2600 μg |
クレソン | 2700 μg |
ツルナ | 2700 μg |
わけぎ | 2700 μg |
カブ(葉) | 2800 μg |
からしな | 2800 μg |
ケール | 2900 μg |
ツルムラサキ | 2900 μg |
トウミョウ | 3000 μg |
小松菜 | 3100 μg |
糸三つ葉 | 3200 μg |
おかひじき | 3300 μg |
ニラ(葉) | 3500 μg |
ルッコラ | 3600 μg |
不断草 | 3700 μg |
サンチュ | 3800 μg |
かぼちゃ(西洋かぼちゃ) | 3900 μg |
だいこん(葉) | 3900 μg |
トウミョウ | 4100 μg |
ほうれん草 | 4200 μg |
ほうれん草(夏採り) | 4200 μg |
ほうれん草(冬採り) | 4200 μg |
ようさい | 4300 μg |
京ニンジン(根・皮むき) | 4400 μg |
春菊(葉) | 4500 μg |
京ニンジン(根・皮付き) | 4800 μg |
ミニキャロット(根) | 4900 μg |
めたで | 4900 μg |
唐辛子 | 5100 μg |
なずな | 5200 μg |
明日葉 | 5300 μg |
よもぎ | 5300 μg |
バジル | 6300 μg |
唐辛子(果実のみ) | 6600 μg |
ニンジン(根・皮) | 6700 μg |
ニンジン(根・皮むき) | 6700 μg |
ヨメナ | 6700 μg |
ニンジン(根・皮つき) | 6900 μg |
パセリ | 7400 μg |
モロヘイヤ | 10000 μg |
しその葉 | 11000 μg |
βカロテンを最も多く含んでいる野菜はシソの葉です。
シソの葉は緑黄色野菜となる規定値600μgと比べるとその20倍近くのβカロチンを含んでいます。他にもパセリ、モロヘイヤなどの野菜はかなりβカロテンの含有量が多くなっています。
上位の野菜には馴染みの薄いものも多いのでメモしておいて、スーパーや農産物直売所に行った時に探してみることをおすすめします。
Βカロチンが多いからいい野菜ではない
ここまで緑黄色野菜とβカロチンについて見てきましたが、βカロチンが多いからといって必ずしもそれ以外の野菜の栄養が少ないわけではありません。
例えば、βカロチン含有量が600μg以下の野菜にはこんなものも含まれています。
アスパラガス、グリーンピース、ししとう、そら豆、枝豆、なす、白菜、セロリ、キャベツ
これらの食材の栄養素が低いかというとそんなことありません。上記に挙げた中だと例えばそら豆や枝豆は野菜類の中でトップクラスに栄養価が高い野菜です。
必ずしも緑黄色野菜を食べなさいというわけではなく、緑黄色野菜はあくまで厚生労働省が定めているβカロチン含有量の多い野菜リストとして覚えておくのがよいでしょう。
まとめ:野菜のカテゴリごとの栄養価ランキングはこちらから
今回は緑黄色野菜の定義とそのカテゴリーに含まれる野菜のランキングを見てきました。
今回はβカロチンの量だけの比較でしたが、カロリーや脂質、糖質、ビタミン・ミネラル類などいろいろな視点から野菜をランクづけしているページも用意しているのでそちらもお時間がある時にぜひご覧ください。



*データの参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
コメントを残す