スーパーで販売されているお肉の中でも比較的値段の安い豚肉。様々な料理に使われるのでひき肉やバラ肉などをよく買う人も多いのではないでしょうか。
そんな豚肉ですが気になるのはその栄養素とカロリー。よく口にする食べ物なだけあって、カロリーには気をつけたいところですね。
そこで今回は豚肉の部位ごとにカロリーや栄養素の含有量を比較したのでその結果を紹介します。基本的に油が多いとされる豚肉ですが、部位によっては低脂質で高タンパクなものもあるので、今後の食材選びの参考になればと思います。
まず比較するのは8種類の部位。肩ロースやもも肉、ヒレ肉など100グラムあたりのカロリーを一覧にしてみました。
カロリーが一番低いのは豚のヒレ肉
部位 | エネルギー(kcal) |
---|---|
バラ肉(脂身付き) | 395 kcal |
ロース(脂身付き) | 263 kcal |
肩ロース(脂身付き) | 253 kcal |
ひき肉 | 236 kcal |
外もも(脂身付き) | 235 kcal |
肩肉(脂身付き) | 216 kcal |
もも肉(脂身付き) | 183 kcal |
ヒレ肉(赤身) | 130 kcal |
100グラムあたりのカロリーが高い順に見ていくと、1番カロリーが高いのはバラ肉。100グラム当たり395キロカロリーとなっています。
反対にカロリーが低いのはヒレ肉。こちらは100グラム当たり130キロカロリーとバラ肉のおよそ3分の1です。同じ豚といってもこれだけカロリーに差があるとは驚きですね。
下の表では皮下脂肪の部分を除去した部位も含めて合計13種類の豚肉のカロリーを比較しています。
部位 | エネルギー(kcal) |
---|---|
バラ肉(脂身付き) | 395 kcal |
ロース(脂身付き) | 263 kcal |
肩ロース(脂身付き) | 253 kcal |
ひき肉 | 236 kcal |
外もも(脂身付き) | 235 kcal |
肩ロース(皮下脂肪なし) | 226 kcal |
肩肉(脂身付き) | 216 kcal |
ロース(皮下脂肪なし) | 202 kcal |
外もも(皮下脂肪なし) | 187 kcal |
もも肉(脂身付き) | 183 kcal |
肩肉(皮下脂肪なし) | 171 kcal |
もも肉(皮下脂肪なし) | 148 kcal |
ヒレ肉(赤身) | 130 kcal |
1番カロリーが高いものはバラ肉で、1番カロリーの低いものはヒレ肉と言う点では変わりませんが、全体を俯瞰してみるとやはり皮下脂肪がついていない部位の方がカロリーが低いことがわかります。
例えば同じロースであっても、脂身が付いているかついていないかで100グラム当たり60キロカロリーほど栄養価が異なります。脂身にどれだけ多くのカロリーが含まれているかがよくわかりますね。
脂質(飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸)の量を比較
では実際、カロリーの多い部位にはどれだけ脂質が含まれているのでしょうか。
それぞれの部位に含まれる3大栄養素の量を比較してみました。画面が小さい方は表を指でスクロールしてみてください。
部位 | エネルギー(kcal) | 水 分 | たんぱく質 | 脂 質 | 飽和脂肪酸 | 一価不飽和脂肪酸 | 多価不飽和脂肪酸 | 炭水化物 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バラ肉(脂身付き) | 395 kcal | 49.4 % | 14.4 g | 35.4 g | 14.6 g | 15.26 g | 3.5 g | 0.1 g |
ロース(脂身付き) | 263 kcal | 60.4 % | 19.3 g | 19.2 g | 7.84 g | 7.68 g | 2.21 g | 0.2 g |
肩ロース(脂身付き) | 253 kcal | 62.6 % | 17.1 g | 19.2 g | 7.26 g | 8.17 g | 2.1 g | 0.1 g |
ひき肉 | 236 kcal | 64.8 % | 17.7 g | 17.2 g | 6.24 g | 7.55 g | 1.62 g | 0.1 g |
外もも(脂身付き) | 235 kcal | 63.5 % | 18.8 g | 16.5 g | 5.8 g | 7.4 g | 2 g | 0.2 g |
肩ロース(皮下脂肪なし) | 226 kcal | 65.1 % | 17.8 g | 16 g | 6 g | 6.82 g | 1.7 g | 0.1 g |
肩肉(脂身付き) | 216 kcal | 65.7 % | 18.5 g | 14.6 g | 5.25 g | 6.5 g | 1.65 g | 0.2 g |
ロース(皮下脂肪なし) | 202 kcal | 65.7 % | 21.1 g | 11.9 g | 4.74 g | 4.82 g | 1.28 g | 0.3 g |
外もも(皮下脂肪なし) | 187 kcal | 67.9 % | 20.2 g | 10.7 g | 3.69 g | 4.79 g | 1.2 g | 0.2 g |
もも肉(脂身付き) | 183 kcal | 68.1 % | 20.5 g | 10.2 g | 3.59 g | 4.24 g | 1.24 g | 0.2 g |
肩肉(皮下脂肪なし) | 171 kcal | 69.8 % | 19.7 g | 9.3 g | 3.25 g | 4.1 g | 1.04 g | 0.2 g |
もも肉(皮下脂肪なし) | 148 kcal | 71.2 % | 21.5 g | 6 g | 2.01 g | 2.48 g | 0.69 g | 0.2 g |
ヒレ肉(赤身) | 130 kcal | 73.4 % | 22.2 g | 3.7 g | 1.29 g | 1.38 g | 0.45 g | 0.3 g |
この表を見ると分かるように、カロリーの高い部位には基本的に多くの脂質が含まれています。
1番カロリーの高いバラ肉に至っては100グラム当たり35.4グラムが脂質です。上から2番目のカロリーの高さであるロースの脂質が19.2グラムと言うことを見ると、どれだけバラ肉に脂質が多く入っているかがよくわかりますね。
反対にカロリーの低いヒレ肉や、皮下脂肪を除いたもも肉には脂質があまり多く含まれていません。それと反比例するようにタンパク質の量は赤身のヒレ肉で22.2グラムとかなり高くなっています。一般的にタンパク質はなかなか普段の食事からでは取りづらいとされる栄養素なのでこれだけタンパク質が豊富な食材は嬉しいですね。
この表で注目して欲しいのは脂質の右側に3つ並んでいる飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3点です。
一口に脂質といってもそれが飽和脂肪酸なのか不飽和脂肪酸なのかによってその質の善し悪しは左右されます。一般的に飽和脂肪酸は摂取する量を抑えた方がいいもの、不飽和脂肪酸は体に良い油と言われていることからも分かるように、バラ肉などの飽和脂肪酸が多い部位は食べ過ぎに気をつける必要があります。
ただし豚の部位全てがダメかというとそうではありません。上述したようにヒレ肉や皮下脂肪を取り除いたもも肉には、それほど不飽和脂肪酸が含まれていないため、筋トレや減量食を考えている人でも十分食べられる食材です。
臓物・タンのカロリー
ここまでは赤身や脂肪など、肉の部位について見てきましたが、焼き鳥屋さんや焼肉屋さんに行くと肉以外の内臓や舌のような部位も口にする機会があると思います。
そこで私たちが口にすることの多い、いくつかの豚の部位に含まれるエネルギーや脂質の量を表にしたので確認してみます。
部位 | エネルギー(kcal) | 水 分 | たんぱく質 | 脂 質 | 飽和脂肪酸 | 一価不飽和脂肪酸 | 多価不飽和脂肪酸 | 炭水化物 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
タン(舌) | 221 kcal | 66.7 % | 15.9 g | 16.3 g | 5.79 g | 7.34 g | 1.38 g | 0.1 g |
ハツ(心臓) | 135 kcal | 75.7 % | 16.2 g | 7 g | 2.1 g | 1.74 g | 0.98 g | 0.1 g |
レバー(肝臓) | 128 kcal | 72 % | 20.4 g | 3.4 g | 0.78 g | 0.24 g | 0.76 g | 2.5 g |
まめ(じん臓) | 114 kcal | 79 % | 14.1 g | 5.8 g | 1.3 g | 0.86 g | 1 g | 微量 |
コブクロ(子宮) | 70 kcal | 83.8 % | 14.6 g | 0.9 g | 0.18 g | 0.15 g | 0.11 g | 0 g |
ここで掲載している5つの部位についてはそれほどカロリーが顕著に高いものはあまり含まれていません。
むしろハツやレバー、まめ、コブクロなどはカロリーが低い方で、それでいてなおタンパク質や一部のミネラル、ビタミン類を摂取できる食材のため、カロリーを抑えたい人にはむしろ普通の肉よりもこうした臓物のほうが向いているかもしれません。
もちろん1つの部位だけを過剰に食べることはお勧めしませんが、食材に含まれている栄養素を比較した上で効率よく栄養摂取できるこうした食材を選ぶ事は金銭面でも重宝します。
私は臓物類があまり得意ではないので、ここで挙げたようなレバーやハツなどはあまり口にしませんが、レバー類が好きな人にとっては128キロカロリーでタンパク質20グラム摂取できると言うのはかなり魅力的だと思います。
まとめ:同じ豚でも低カロリー食材はある
今回は豚の栄養素とカロリーを部位別に比較してきました。豚肉と言うと脂肪が多い高カロリーな食材だと言うイメージがありましたが実際にこうして比較してみると豚肉であってもヒレ肉やもも肉のような脂質の少ない筋トレ向きな部位があることがわかりました。
スーパーや飲食店で豚肉を手に取る際にはこのページで掲載した内容を活用していただけると幸いです。
*データの参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
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