先日、10種類の麺類について栄養素を比較しました。今回はその枠を広げてご飯やパンなど日本人が普段食べる主食全体のカロリーや栄養素を比べてみます。比較した6種類の主食は下記の通りです。
- 白飯、食パン、フランスパン、うどん、蕎麦、パスタ
食パンとフランスパンについては同じパンというカテゴリー内でも栄養素が大きく違う上、食べ分けされているものなので2つに分類しました。コーンフレークおよびシリアルに関しては今回の調査には含めていません。個別に栄養素やカロリーが知りたい場合はこちらからどうぞ。
目次
主食6種類のカロリー比較
食品名 | カロリー | 水分量 |
フランスパン | 279 kcal | 30 g |
食パン | 264 kcal | 38 g |
白飯 | 168 kcal | 60 g |
パスタ | 165 kcal | 60.5 g |
うどん | 126 kcal | 70 g |
蕎麦 | 114 kcal | 72 g |
主食6食品を100gあたりのカロリーが多い順に並べてみると上記のようになります。結果はフランスパンがもっとも高く279 kcal、蕎麦が一番低く114 kcalとなっています。両者の差はおよそ3倍。
もちろんフランスパンと蕎麦とでは水分量や一食当たりの摂取量が違うので単純な比較はできませんが、それでも蕎麦のカロリーの低さは目立ちます。
同じ麺類でもパスタと蕎麦・うどんとの間に大きなカロリーの違いがあるのは、原材料の違いにあります。詳しくはこちらの麺類比較記事に書いています。
パスタのカロリーがもっとも高く、ついで中華麺、沖縄そばなど原材料に卵や油などを混ぜた麺類のカロリーが高いと言えます。
反対に同じ小麦粉を使っていても、つなぎに卵や油を使わないうどんや蕎麦はカロリーが低い傾向にあります。
引用:10種類の麺類カロリーと三大栄養素量を比較:たんぱく質なら蕎麦、炭水化物はパスタが栄養高めです。
主要主食の三大栄養素含有量を比較
食品名 | カロリー | 水分量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
フランスパン | 279 kcal | 30 g | 9.4 g | 1.3 g | 57.5 g |
食パン | 264 kcal | 38 g | 9.3 g | 4.4 g | 46.7 g |
白飯 | 168 kcal | 60 g | 2.5 g | 0.3 g | 37.1 g |
パスタ | 165 kcal | 60.5 g | 5.4 g | 0.9 g | 32 g |
うどん | 126 kcal | 70 g | 3.1 g | 0.5 g | 25.8 g |
蕎麦 | 114 kcal | 72 g | 4.8 g | 0.7 g | 22.1 g |
続いて三大栄養素を含めて一覧を比較してみます。それぞれの栄養素が一番多く含まれているのは、
- たんぱく質:フランスパン
- 脂質:食パン
- 炭水化物:フランスパン
です。コーンフレークは他の主食と比べて水分量が低くやや特殊なポジションなので、そこを除くと炭水化物量ではフランスパンがもっとも含有量が大きくなります。
たんぱく質の王者フランスパン
筋トレをしている人が気になるたんぱく質はフランスパンが一番多く、100gあたり9.4gもたんぱく質が含まれています。普通、たんぱく質は肉や魚といったおかずやプロテインで摂取するのが一般的ですが、主食自体にこれだけたんぱく質が入っているのは素晴らしいですね。
もちろん、主食は炭水化物摂取メイン、たんぱく質はプロテインや肉魚で摂るというルールでトレーニングをしている人も多いとは思いますが、それでもこの含有量は魅力です。
そしてフランスパンの脂質の低さにも注目です。同じパンでも食パンが100gあたり4.4gと主食にしてはなかなか多い脂質量を含んでいるのに対してフランスパンはわずか1.3gしか脂質を含んでいません。
水分量が他の主食と比べて少なくその硬さから食べにくさでは難点がありますが(1)、うまく食べられるならこれほど頼もしい主食もそうそうないのではないでしょうか。
機器測定で軟らかいとされたパン類は,咀嚼量が白飯よりも高値であった.パンの筋活動量が高いために,洋食では主食に咀嚼量割合が偏るものと考えられる.特に,フランスパンは顕著に咀嚼量が高値を示した.
引用:和食・洋食一食中における主食の咀嚼量 – 結果と考察 – 3.主食についての解析
日本人のソウルフード白飯は脂質の低さに注目
日本人の主食である白飯は100g中2.5gとたんぱく質がほとんど含まれていません。ただし、注目すべきはその食べやすさと脂質の低さでしょう。
水分量対栄養量が6対4となっている白飯はフランスパンや食パンと比べて食べやすい上に、脂質が100gあたり0.3gと極端に低いです。
そして何と言っても白飯は他のおかずとの組み合わせの自由度が他の主食と比べて格段に大きいため、バルクアップをするならなくてはならない存在でしょう。
もちろんダイエット中の人でも極端な炭水化物制限は逆効果(2)なので、おにぎりのような食べやすい形で脂質の低い白飯を適量摂取するのが良いのではないでしょうか。
パスタと白飯はカロリーでは一緒、たんぱく質と炭水化物は大違い
上の表で面白いのがパスタと白飯です。2つだけ抜き出してもう一度見てみましょう。
食品名 | カロリー | 水分量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
白飯 | 168 kcal | 60 g | 2.5 g | 0.3 g | 37.1 g |
パスタ | 165 kcal | 60.5 g | 5.4 g | 0.9 g | 32 g |
カロリーと水分量はどちらもほとんど変わらないのにたんぱく質をみてください。白飯のたんぱく質が2.5gに対してパスタはその倍以上の5.4g含まれています。
そして炭水化物はその逆。白飯が37gに対して、パスタは32gです。
- 白飯:たんぱく質2.5g、炭水化物37.1g
- パスタ:たんぱく質5.4g、炭水化物32g
たんぱく質は筋肉の再生・発達に、炭水化物は体のエネルギーに利用されることを考えると、筋肉を作るのに役立つたんぱく質を多く取りたいならパスタ、エネルギー補給をしたいなら白飯といったように使い分けができるようになります。
カロリーだけ見ていては気づけないことですね。
主要6主食比較のまとめ:食べやすさ重視なら白飯
結論としては、やはりお米が効率よく炭水化物を摂る上では優秀です。ただし安さを求めるのであれば、最近ではドンキホーテのような激安スーパーに行くと、うどん・蕎麦などの乾麺が一食20円程度と白飯よりもお得に売られている場合があるので、懐事情に合わせて主食は選択するのがよいでしょう。
筋トレやダイエットで陥りがちな食生活の偏りを防ぐためにも、常に同じ主食を食べるのではなく、朝昼晩と違うパンやお米、麺類を組み合わせてバリエーションを増やしていくのも良いかもしれません。
また、自分にどの主食があっているかを見極めるためにも1週間ごとに主食を変えて体の変化を見るのも一つの手と言えます。
*データの参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
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