緑豆もやし、黒豆もやし、大豆もやしなどもやしにも色々と種類があります。それぞれどんな豆から発芽しているかによって違うので、”もやし”というのは1つの野菜の名前ではないのです。
そんなもやしですが、私たちが普段口にすることが多いのは、緑豆(りょくとう)から発芽した緑豆もやし。スーパーで販売されているもののほとんどはこの緑豆もやしです。
では、そんなもやしの栄養素はどれくらい高いのでしょうか。よく、もやしは栄養素がないと言われがちですが、それは本当なのでしょうか。
今回は、もやしと一口に言っても種類によって意外と栄養やカロリーに差があるということを、食品データを解説しながら紹介していきます。
目次
もやしの栄養価は発芽元の豆由来
食品名 | カロリー | 水分量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
---|---|---|---|---|---|---|
緑豆もやし | 14 kcal | 95.4 g | 1.7 g | 0.1 g | 2.6 g | 1.3 g |
黒豆もやし | 15 kcal | 95 g | 2 g | 微量 | 2.7 g | 1.4 g |
大豆もやし | 37 kcal | 92 g | 3.7 g | 1.5 g | 2.3 g | 2.3 g |
アルファルファもやし | 12 kcal | 96 g | 1.6 g | 0.1 g | 2 g | 1.4 g |
もやしの中でもどの豆から発芽しているかによってカロリーをはじめとする栄養素も大きく違ってきます。
もやしの栄養素は豆の栄養素にかなり大きく依存するのです。
実際、緑豆と黒豆、大豆、アルファルファの栄養素を比較してみると、大豆の栄養素が圧倒的に高いことが分かります。
こうしてみると分かるように、大豆=カロリーのないものと全てを一緒くたにするのは間違いであって、もやしといっても、それが「何もやし」なのかによってカロリーや栄養素が倍近く異なることを覚えておきましょう。
もやしを他の生野菜と比較
食品名 | カロリー | 水分量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
---|---|---|---|---|---|---|
緑豆もやし | 14 kcal | 95.4 g | 1.7 g | 0.1 g | 2.6 g | 1.3 g |
黒豆もやし | 15 kcal | 95 g | 2 g | 微量 | 2.7 g | 1.4 g |
大豆もやし | 37 kcal | 92 g | 3.7 g | 1.5 g | 2.3 g | 2.3 g |
アルファルファもやし | 12 kcal | 96 g | 1.6 g | 0.1 g | 2 g | 1.4 g |
レタス | 12 kcal | 95.9 g | 0.6 g | 0.1 g | 2.8 g | 1.1 g |
小松菜 | 14 kcal | 94.1 g | 1.5 g | 0.2 g | 2.4 g | 1.9 g |
きゅうり | 14 kcal | 95.4 g | 1 g | 0.1 g | 3 g | 1.1 g |
もやしを他の生野菜と比較してみました。もやしはいずれも栄養価の高い豆から生育しているので、他の野菜と比較した時にたんぱく質の数値が高めになる傾向があります。
大豆もやしの脂質の高さはまさしく大豆由来です。他のもやしや野菜と比べると10倍近く含有量に違いがありますね。ただ、脂質がこの表の中では抜きん出て高いとはいっても、100gあたり1.5gはかなり少ない方(以前公開したナッツ類の栄養比較記事では100gあたり70g以上の脂質を含む食材も紹介しました)なので、脂質の取りすぎに心配する必要はありません。

もやし4種類のミネラル含有量比較
食品名 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | マンガン |
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緑豆もやし | 2 mg | 69 mg | 10 mg | 8 mg | 25 mg | 0.2 mg | 0.3 mg | 0.08 mg | 0.06 mg |
黒豆もやし | 6 mg | 71 mg | 15 mg | 11 mg | 28 mg | 0.4 mg | 0.4 mg | 0.07 mg | 0.08 mg |
大豆もやし | 3 mg | 160 mg | 23 mg | 23 mg | 51 mg | 0.5 mg | 0.4 mg | 0.12 mg | 0.3 mg |
アルファルファもやし | 7 mg | 43 mg | 14 mg | 13 mg | 37 mg | 0.5 mg | 0.4 mg | 0.09 mg | 0.1 mg |
ミネラル類については、もやし自体に水分が多く含まれており栄養素が少ないため4種類のもやし間で大きな差は見られません。
基本的に大豆もやしが上述したような大豆由来といった理由で栄養価は高いものの、それでも大豆に含まれるミネラルはかなり少ない方です。
もやしのビタミン比較:アルファルファもやしのビタミン含有量が高い
食品名 | α-トコフェロール | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ナイアシン | ビタミンB6 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
緑豆もやし | 0.1 mg | 3 μg | 0.04 mg | 0.05 mg | 0.3 mg | 0.05 mg | 41 μg | 0.23 mg | 1.7 μg | 8 mg |
黒豆もやし | 0.1 mg | 5 μg | 0.04 mg | 0.06 mg | 0.4 mg | 0.06 mg | 42 μg | 0.34 mg | – | 11 mg |
大豆もやし | 0.5 mg | 57 μg | 0.09 mg | 0.07 mg | 0.4 mg | 0.08 mg | 85 μg | 0.36 mg | – | 5 mg |
アルファルファもやし | 1.9 mg | 47 μg | 0.07 mg | 0.09 mg | 0.2 mg | 0.1 mg | 56 μg | 0.46 mg | 4.4 μg | 5 mg |
ビタミン類の中で大きな違いが見られるのは、α-トコフェロールとビタミンKの項目です。
これまで見てきた項目ではあまり目立った栄養が見られなかったアルファルファもやしの数値が他と比べて数倍〜十数倍多くなっています。一時期スーパーフードとして話題になったアルファルファの栄養素の高さが伺えますね。
全体に関しては、ミネラル類と同じようなことがビタミン類についても言えます。
上の表で違いが数倍あるとしても、絶対量で見た時に「栄養豊富」と言えるほど顕著なビタミン量は含まれていないので、ビタミン類を摂取したいなら他の食品やサプリメントで取ることをおすすめします。
まとめ:もやしの栄養はそこまで高くない
以上、4種類のもやしを他の野菜も上げつつ相互比較てきました。重要なポイントとして、
- もやし自体の栄養価は高くない
- もやしだけを食べていては栄養不足
- 発芽元の豆の栄養素に依存する
- もやしの中では大豆もやしの栄養が高い
上記の4点を抑えておくと、次にもやしを買うときや調理する時に参考になるはずです。
個人的にはもやしのシャキシャキ感は他になかなか無い食感なので、栄養を取るために食べるというよりは食感や味を楽しむことを第一に向き合ったほうがいい食材かなと思います。
*データの参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
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