日本人はお米ばかり食べているようなイメージですが、最近ではお米が主食を占める割合がかつての57%から40%ほどまで下落し、代わりに麺類やパン類の消費量が増えています(1)。
中でも麺類はうどん・蕎麦など主食の中でも人気が高く、どれぐらいの栄養があるのか興味のある人も多いのではないでしょうか。
家計に占める主食的食料費の構成割合においても、米類 の占める割合が低下する一方で、パン、めん類の占める割合が増 加しています(図Ⅰ-5 。
今回は麺類の中から代表的なうどん、そうめん、蕎麦、パスタ、中華麺、沖縄そばなど全10種類の定番麺を対象にカロリー、タンパク質、脂質、炭水化物の含有量を比較します。
- 炭水化物を効率よく取れる主食を探してる人
- 炭水化物の少ない麺類を探している人
- タンパク質の多い主食を探してる人
- 自分に合ったおすすめの麺類を見つけたい人
など、まとまったデータで自分にあった麺類を比較できるので参考にしてみてください。
なお、今回掲載している麺は乾燥麺ではなく、茹でた状態=実際によく食べられる麺の状態で比較します。掲載されている麺類のカロリーおよび栄養素は全て100gあたりの数値になります。
それでは10種類の麺類をみていきましょう。
目次
カロリーの高い麺類ランキング
100gあたりの麺類に含まれるカロリーを多い順に並べてみると結果は下記の通り。”干し〇〇”は打ち立て・作りたての麺を茹でたものではなく、一度乾麺になった麺を茹でたものを指します(2)。
お店で食べるような麺は生麺、スーパーで売っている乾燥した麺は干し〇〇になると考えると分かりやすいはず。
食べ物 | カロリー | 水分量 |
パスタ | 165 kcal | 60.5 g |
中華めん | 149 kcal | 65 g |
干し沖縄そば | 148 kcal | 65 g |
沖縄そば | 147 kcal | 65.5 g |
そば | 132 kcal | 68 g |
そうめん・ひやむぎ | 127 kcal | 70 g |
手延そうめん・手延ひやむぎ | 127 kcal | 70 g |
干しうどん | 126 kcal | 70 g |
干しそば | 114 kcal | 72 g |
うどん | 105 kcal | 75 g |
比べてみると、パスタのカロリーがもっとも高く、ついで中華麺、沖縄そばなど原材料に卵や油などを混ぜた麺類のカロリーが高いと言えます。
反対に同じ小麦粉を使っていても、つなぎに卵や油を使わないうどんや蕎麦はカロリーが低い傾向にあります。
パスタとうどんを比べるとパスタの方が水分が少なく、うどんの方が水分が多いです。水分が多いということは他の栄養素が少なくなるので、一般的に水分量が多いとカロリーは低いことになります。(もちろん脂質が多ければ水分量が多くてもカロリーは高くなります。例:マスカルポーネチーズ、マヨネーズなど)
そして、水分量が多い方が食べやすい・飲み込みやすいとも言えます。水分量が少ないパスタよりも多いうどんの方がツルツル食べられます。
パスタとうどんでは165kcalと105kcalといった感じに1.5倍近くカロリーが違うので同じ麺類でも、どの麺類が高カロリーまたは低カロリーかを知っておく必要がありますね。
麺類の中で一番カロリーが高いのはパスタ。他にも中華麺(ラーメンの麺)や沖縄そばが高カロリー。一番カロリーが低いのはうどん。
たんぱく質・脂質・炭水化物量ランキング
ダイエット初心者はカロリーで食べ物の太りやすさをイメージしがちですが、本当に大事なのはたんぱく質量・脂質量・炭水化物量の3つです(カロリーはたんぱく質・脂質・炭水化物の総和)。
たんぱく質、脂質、炭水化物の順番で上位・下位・おすすめの麺類を見ていきましょう。
食品名 | カロリー | 水分量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
パスタ | 165 kcal | 60.5 g | 5.4 g | 0.9 g | 32 g |
中華めん | 149 kcal | 65 g | 4.9 g | 0.6 g | 29.2 g |
干し沖縄そば | 148 kcal | 65 g | 5.2 g | 0.6 g | 28.6 g |
沖縄そば | 147 kcal | 65.5 g | 5.2 g | 0.8 g | 28 g |
そば | 132 kcal | 68 g | 4.8 g | 1 g | 26 g |
そうめん・ひやむぎ | 127 kcal | 70 g | 3.5 g | 0.4 g | 25.8 g |
手延そうめん・手延ひやむぎ | 127 kcal | 70 g | 3.5 g | 0.6 g | 25.5 g |
干しうどん | 126 kcal | 70 g | 3.1 g | 0.5 g | 25.8 g |
干しそば | 114 kcal | 72 g | 4.8 g | 0.7 g | 22.1 g |
うどん | 105 kcal | 75 g | 2.6 g | 0.4 g | 21.6 g |
たんぱく質の多い麺類はパスタと蕎麦
たんぱく質が多い麺類はパスタ、沖縄そば(の麺)、蕎麦など。パスタは100gあたりのたんぱく質量が5gを超えており、麺類の中ではトップのたんぱく質含有量を誇ります。
基本的に一人前のパスタの茹でた麺量は200g前後なので、他にソースやおかずを加えなくてもパスタの麺単体で一食11g程度のたんぱく質が取れる計算になります。これは主食の中でもかなり高い数字で、日本で主食とされているお米を一人前200g食べたとしてもたんぱく質は5gほど、パスタの半分ほどしか取れません。
ただし、麺の食べやすさの観点から見ると、水分量が60.5gと麺類の中ではやや少なく食べにくいパスタに比べて、蕎麦はたんぱく質量がほとんど劣らないにも関わらず、水分量が68gもあるので、たんぱく質を取りやすく食べやすい麺類は蕎麦が一番と言えるでしょう。
同じように水分量が多くてもうどんやそうめんなどはたんぱく質量が2〜3gほどなので、蕎麦のすごさが分かります。
たんぱく質が一番多い麺はパスタ。食べやすさを考えると蕎麦の方がいい。
麺類の脂質は総じて低い
続いて脂質を見てみましょう。ダイエット中の人の間では炭水化物を抑えることが良いと知られていますが、摂取エネルギー量を抑えるのであれば、1gあたり9kcalのエネルギーを持つ(炭水化物は4kcal)脂質を制限した方が得策です。
麺類に目をやってみると脂質に関しては、気にする必要がないくらい総じて脂質含有量が低いです。ラーメンのスープやだし汁を除けば、麺類自体にはさほど油は含まれておらず、脂質量を気にする心配はありません。
強いてあげるならば、パスタと蕎麦の脂質量が100gあたり1g前後となっていますが、それでも1g。麺類で脂質を気にするよりかは一緒に食べる他の食材を気にした方がいいでしょう。
関連:脂質量の多い食べ物
麺類の脂質はほとんど1g以下。麺類を食べて脂質を摂りすぎることはほとんどない。
パスタと中華麺は炭水化物の多く、うどんは少ない
最後に炭水化物。これが一番気になるデータかもしれません。結論から言うと、麺類で炭水化物が多いのはパスタ、中華麺、沖縄そばです。
特にパスタは麺類で唯一、炭水化物量が100gあたり32gと3割を超えているハイカーボ食品です。
炭水化物の摂取量を気をつけているならパスタは少し抑えめにして、代わりに炭水化物量が低いうどんなどに置き換えるのが得策と言えるでしょう。
パスタの炭水化物量に注意。カーボオフを目指すならうどんがおすすめ。
10種類の麺類カロリーと三大栄養素量を比較のまとめ
これまで見た内容を振り返って大事なポイントをまとめます。
- パスタはカロリー、炭水化物が高め
- 蕎麦はたんぱく質量が高い割に食べやすい
- うどんは水分量が多いのでカロリー、炭水化物量ともに低め
あなたが目指す体型にもよりますが、麺類の中でもカロリーや炭水化物量はかなりまちまちなので、一概に麺類は太るといった認識は持たない方がいいでしょう。
個人的には食べ過ぎさえ気をつければ、お米に比べても食べやすい麺類は置き換えダイエットなどにもおすすめです。
参考リンク
1. Ⅰ 米の消費に関する動向(3)主食的食料の内訳の変化若者世代に限ってはパン食の割合は今後も高まるはず。
2. 全国製麺協同組合連合会 - 生めんの種類蕎麦はそば粉を〇〇%以上必要といったように厳密に定義が決まっています。
*データの参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
[…] 先日、10種類の麺類について栄養素を比較しました。今回はその枠を広げてご飯やパンなど日本人が普段食べる主食全体のカロリーや栄養素を比べてみます。比較した6種類の主食は下記の通りです。 […]