筋トレ・体調管理・ダイエット向け食品栄養情報サイト

初ガツオと戻りガツオの栄養は51.0kcalも違う:たんぱく質なら初鰹、脂質を摂るなら秋に獲れるトロカツオがおすすめです。

私たちが普段食べているカツオ。このカツオには時期によって2種類のタイプが存在します。春に獲れるのが初鰹(初ガツオ)、秋に獲れるのが戻りガツオ(トロカツオ)です。

初ガツオと戻りガツオはその名の通り、春に初めて獲れるカツオと、秋頃に日本海沿いまで戻ってくる戻りガツオといった獲れる時期の違いこそあるものの、品種自体は同じもの。

同じカツオだから栄養やカロリーもだいたい一緒だろうとこれまでは思っていたのですが、今回調査した結果、同じ魚といってもかなり大きな違いがあることが分かりました。

そこで今回は初ガツオと戻りガツオ、2種類のカツオの、

  • カロリー(エネルギー)
  • 三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)
  • ミクロ栄養素(ビタミン・ミネラル)

を比較してどちらがどんな点に優れているのかを見ていきます。カツオは店頭で手軽に手に入る大衆魚の一つですが、その栄養素は魚界の中でもトップクラスということがこのページを見てもらえれば分かるはずです。

カツオのカロリーと三大栄養素を比較

魚の名前 エネルギー(kcal)
初鰹(初ガツオ) 114 kcal
戻り鰹(トロカツオ) 165 kcal

100グラムあたりのカロリーを見ても一目瞭然です。春に旬を迎える初ガツオが114kcalなのに対して、秋に獲れる戻りカツオは165kcalの栄養があります。倍率にすると44.7%のカロリー増。海で大きく育っていくうちに体に栄養を豊富につけて帰ってくるのだ戻りカツオなのです。

カロリーの内訳となる三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)がどれくらい含まれているか見てみましょう。

脂質の量が大きく増える戻りガツオ

魚の名前 エネルギー(kcal) 水 分 たんぱく質 脂 質 炭水化物
初鰹(初ガツオ) 114 kcal 72.2 % 25.8 g 0.5 g 0.1 g
戻り鰹(トロカツオ) 165 kcal 67.3 % 25 g 6.2 g 0.2 g

共通して言えるのはどちらもたんぱく質が豊富ということです。それも魚類の中でトップクラスの含有量です。生の魚で100グラムあたりのたんぱく質含有量が25グラムを超えるのはカツオかマグロぐらいしかありません。

両者の大きな違いは脂質にあります。春ガツオが100グラムあたり0.5グラムしか脂質を含んでいない低脂質フードなのに対して、秋に獲れる戻りカツオは100グラムあたり6.2グラムの脂質含有量。

6.2グラムというのは他の食べ物全体で見ると特段多くはないものの、同じカツオなのに春か秋に獲れるかの違いだけで脂質の量が10倍以上も違うとは驚きです。

カツオに含まれる脂質は不飽和脂肪酸がほとんど

魚の名前 脂 質 飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸
初鰹(初ガツオ) 0.5 g 0.12 g 0.07 g 0.14 g
戻り鰹(トロカツオ) 6.2 g 1.5 g 1.33 g 1.84 g

脂質をさらに細かく分けたものがこちらの表。一般に飽和脂肪酸は少ない方がよく、不飽和脂肪酸は摂取が望まれていますが、カツオはまさにこの不飽和脂肪酸が多いタイプの食材です。

上の表を見ても春ガツオは本当に淡白な味で、戻り鰹がトロカツオと言われる所以が分かりますね。同じ魚なのにシーズンでこれほど違いがあるのは意外でした。

初ガツオは減量期・ダイエット、戻りカツオは増量期のお供に

では、そんな栄養素の違うカツオをどのように食事法に取り入れていくかというと、高タンパク低脂質な春ガツオは脂肪を減らしたい減量期に、高タンパクで脂質もそれなりに含んだ戻りカツオは増量期、バルクアップ時に食べると効果的です。

  • 春ガツオ:減量期・ダイエット向き
  • 秋ガツオ:増量期・バルクアップ向き

カツオはマグロと比べて値段も安いのでスーパーでも手軽に買える点もポイントが高いです。

カツオのサイクルに合わせる必要はありませんが、それぞれのカツオが旬となる春に減量、秋に増量をすればちょうどカツオのシーズンと重なった食事法を取ることができます。

これはカツオだけではなく他の食べ物でも同様で、春夏を超えて冬に向けて脂肪を蓄える時期に捕られた食べ物は比較的脂質が高くなっています。

初ガツオと戻りカツオでビタミン・ミネラルは変わるのか

カロリーや三大栄養素を見ると、初ガツオと戻りカツオとでは意外と大きな違いがあることが分かりました。100グラムあたりで50キロカロリー違いがあったら、カロリー調整中の人は気をつける必要がありますよね。

そんな季節ごとに栄養価が変わるカツオですが、ビタミン・ミネラルなどのミクロ栄養素ではどれだけ春と秋で違いが出るのでしょうか。その比較をしたのが次の2つの表です。

魚の名前 ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム リン 亜鉛 マンガン
初鰹(初ガツオ) 43 mg 430 mg 11 mg 42 mg 280 mg 1.9 mg 0.8 mg 0.11 mg 0.01 mg
戻り鰹(トロカツオ) 38 mg 380 mg 8 mg 38 mg 260 mg 1.9 mg 0.9 mg 0.1 mg 0.01 mg

上の表を見てもらうと分かるように、ミネラル類では大きな違いはありません

魚の名前 ビタミンD ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン ビタミンB6 ビタミンB12 葉酸 パントテン酸 ビタミンC
初鰹(初ガツオ) 4 μg 0.13 mg 0.17 mg 19 mg 0.76 mg 8.4 μg 6 μg 0.7 mg 微量
戻り鰹(トロカツオ) 9 μg 0.1 mg 0.16 mg 18 mg 0.76 mg 8.6 μg 4 μg 0.61 mg 微量

ビタミン類についてはビタミンDのみ、戻りガツオが初ガツオに対して2倍以上の含有量の違いを見せています。それ以外の栄養素はほぼ変動なしか、あったとしても有意差がない程度です。


これらの点から言えるのは、初ガツオが戻りガツオとなる間に変わる成分は、

  • たんぱく質量が若干落ちる
  • 脂質の量が0.5gから6gまで10倍以上増える
  • 増えた脂質のカロリー分で50kcalアップする
  • ビタミンDのみ倍近く含有量が増える

このように変化します。数字上の解釈だけでいくと、基本的な栄養素は変わらずに、脂質とビタミンDだけが増えて帰ってくるのが戻りガツオと言えそうです。

スーパー等でカツオを買うときはどの時期に獲れたカツオかを確認してから食べることをおすすめします。

*データの参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です