伊勢海老のような高級食材から甘エビやバナメイエビのような私たちが普段からよく食べる種類まで、一口にエビといってもいろいろな種類があります。
今回は、エビ自体にどれぐらいの栄養(カロリーやたんぱく質など)が含まれているのか、そしてエビの中ではどの種類に栄養が多い・少ないのか、この2点について調査したのでその結果をランキング形式で紹介します。
目次
エビのカロリーは低い:7種類の平均は89.6kcal
食品名 | エネルギー(kcal) |
---|---|
車エビ | 97 kcal |
大正エビ | 95 kcal |
伊勢海老 | 92 kcal |
バナメイエビ | 91 kcal |
甘エビ | 87 kcal |
芝エビ | 83 kcal |
ブラックタイガー | 82 kcal |
エビの中で一番カロリーが高いのは車エビです。100グラムあたり97kcalのカロリーが含まれています。2番目に高いのが大正えび、3番目が伊勢海老となっています。
反対に一番カロリーが低いのはブラックタイガー。こちらは100グラムで82kcalです。
エビのカロリーは全体的に低め
種類によって差こそあれ、エビのカロリーは全体的に80から100kcalほどと言えます。これは食べ物全体の中ではかなりカロリーが低い方で、同じ生の魚介類でも例えばサーモンだと237kcal、サンマなら335kcalとなっています。
下記の表でエビとそのほかの魚介類(さんま、サーモン、イワシ、マグロの赤身)のカロリーを比べてみました。
食品名 | エネルギー(kcal) |
---|---|
さんま | 335 kcal |
サーモン | 237 kcal |
イワシ | 169 kcal |
車エビ | 97 kcal |
大正エビ | 95 kcal |
マグロの赤身 | 93 kcal |
伊勢海老 | 92 kcal |
バナメイエビ | 91 kcal |
甘エビ | 87 kcal |
芝エビ | 83 kcal |
ブラックタイガー | 82 kcal |
ご覧の通りエビ類はほかの魚介類と比べて全体的に低カロリーということが分かります。
サンマやサーモンなど脂が多めな魚と比べると2分の1〜3分の1ほどのカロリーしかありません。必ずしも低カロリーなものが良いというわけではなく、むしろ最低限のカロリーを取る必要はありますが、食事制限やカロリー制限などをしている人には魚介類の中でエビはおすすめできます。
もちろんエビ以外にもマグロの赤身のように、魚でも低カロリーなものはいくつかあるので詳しく知りたい人はこちらのページなどで確認してみてください。

エビに含まれる三大栄養素
カロリーはあくまでたんぱく質・脂質・炭水化物の合計量から計算されたエネルギー含有量の目安でしかありません。
詳しいエビ類の栄養を知るために今度は三大栄養素がどれぐらいのバランスで含まれているのか一覧にして見てみましょう。
食品名 | エネルギー(kcal) | 水 分 | たんぱく質 | 脂 質 | 炭水化物 |
---|---|---|---|---|---|
車エビ | 97 kcal | 76.1 % | 21.6 g | 0.6 g | 微量 |
大正エビ | 95 kcal | 76.3 % | 21.7 g | 0.3 g | 0.1 g |
伊勢海老 | 92 kcal | 76.6 % | 20.9 g | 0.4 g | 微量 |
バナメイエビ | 91 kcal | 78.6 % | 19.6 g | 0.6 g | 0.7 g |
甘エビ | 87 kcal | 78.2 % | 19.8 g | 0.3 g | 0.1 g |
芝エビ | 83 kcal | 79.3 % | 18.7 g | 0.4 g | 0.1 g |
ブラックタイガー | 82 kcal | 79.9 % | 18.4 g | 0.3 g | 0.3 g |
エビの特徴は高タンパク、低脂質、低糖質です。
上の表を見ても分かるように、たんぱく質が非常に豊富で反対に脂質と炭水化物はほとんど含まれていません。これは筋トレをしている人やダイエット中の人にはかなり嬉しいことだと思います。
中でも注目したいのは大正えび。どのエビも同じように高タンパク、低脂質、低糖質ではあるものの、特にこの大正えびは脂質・炭水化物が少なくたんぱく質が多く含まれています。
料理によって使うエビは異なりますが、単純に栄養素だけを指標にするのであれば大正えびが一番ということを覚えておくと便利です。
エビに含まれるミネラル類を比較
三大栄養素の次はミネラル類とビタミン類です。まずはカルシウムや鉄分などのミネラル類について含有量の比較をしていきます。
食品名 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | マンガン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
車エビ | 170 mg | 430 mg | 41 mg | 46 mg | 310 mg | 0.7 mg | 1.4 mg | 0.42 mg | 0.02 mg |
大正エビ | 200 mg | 360 mg | 34 mg | 45 mg | 300 mg | 0.1 mg | 1.4 mg | 0.61 mg | 0.02 mg |
伊勢海老 | 350 mg | 400 mg | 37 mg | 39 mg | 330 mg | 0.1 mg | 1.8 mg | 0.65 mg | 0.02 mg |
バナメイエビ | 140 mg | 270 mg | 68 mg | 37 mg | 220 mg | 1.4 mg | 1.2 mg | 0.33 mg | 0.1 mg |
甘エビ | 300 mg | 310 mg | 50 mg | 42 mg | 240 mg | 0.1 mg | 1 mg | 0.44 mg | 0.02 mg |
芝エビ | 250 mg | 260 mg | 56 mg | 30 mg | 270 mg | 1 mg | 1 mg | 0.35 mg | 0.11 mg |
ブラックタイガー | 150 mg | 230 mg | 67 mg | 36 mg | 210 mg | 0.2 mg | 1.4 mg | 0.39 mg | 0.02 mg |
ミネラル類についてはどのエビを選んでも基本的な成分含有量はそれほど変わりません。
大きく栄養価が大きく変わるのは、鉄分の項目のみ。鉄分に関してはバナメイエビが1.4mgとほかのエビに対して最大14倍もの含有量の差をつけています。
とはいっても鉄分の摂取量上限は1日40〜50mgほどなので、バナメイエビの食べ過ぎによる鉄分過多はそこまで深刻に考えなくても大丈夫です。
エビのビタミン類含有量を比較
食品名 | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
車エビ | 0.11 mg | 0.06 mg | 3.8 mg | 0.12 mg | 1.9 μg | 23 μg | 1.11 mg | 2.6 μg | 微量 |
大正エビ | 0.03 mg | 0.04 mg | 2.4 mg | 0.07 mg | 2.1 μg | 45 μg | 0.61 mg | – μg | 1 mg |
伊勢海老 | 0.01 mg | 0.03 mg | 2.1 mg | 0.14 mg | 0.3 μg | 15 μg | 0.41 mg | – μg | 1 mg |
バナメイエビ | 0.03 mg | 0.04 mg | 3.6 mg | 0.14 mg | 1.2 μg | 38 μg | 0.23 mg | 1.9 μg | 1 mg |
甘エビ | 0.02 mg | 0.03 mg | 1.1 mg | 0.04 mg | 2.4 μg | 25 μg | 0.21 mg | – μg | 微量 |
芝エビ | 0.02 mg | 0.06 mg | 2.2 mg | 0.1 mg | 1.1 μg | 57 μg | 0.38 mg | – μg | 2 mg |
ブラックタイガー | 0.07 mg | 0.03 mg | 2.6 mg | 0.07 mg | 0.9 μg | 15 μg | 0.59 mg | 1.9 μg | 微量 |
この表はエビに含まれるビタミン類を一覧にしたものです。ミネラル類は鉄分など一部の栄養素で大きな違いが見られましたが、ビタミン類についてはほとんど違いはありません。
成分量自体もエビだけに特別多くの栄養が含まれているわけではないので、ミクロ栄養素についてはそれほど期待しない方がいいでしょう。
まとめ:エビは高タンパク・低脂質・低糖質食材
今回は7種類のエビを比較しながらエビ類にどんな栄養素が含まれているのかを見てきました。結論としては、
- エビは全食品の中でも優秀な高タンパク質食材
- エビの種類ごとにそれほど大きな差はない
以上の2点を覚えておくと良いでしょう。高級な伊勢海老だからといって甘エビやブラックタイガーとそれほど大きな栄養差がないのは意外でした。それぞれのエビの詳しい栄養素については個別ページにてご確認ください。
*データの参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
コメントを残す