食べ物にあまり興味がない人は間違えている人もいるのではないでしょうか。
普段から食べることの多い葉菜類の中でも特に人気な3種類、キャベツ、レタス、白菜。
キャベツ・白菜はアブラナ科、レタスはキク科といった違いもあるのですが、栄養素にはどんな違いがあるのでしょうか。見た目が似ているので栄養も似たような結果だと想像しがちですが、調査してみると意外と大きな違いがあることが分かりました。
今回は、キャベツ・レタス・白菜の3種類に絞ってカロリー、マクロ栄養素、ミクロ栄養素を見比べていきます。
目次
カロリー比較:キャベツはレタスの2倍高カロリー
食品名 | カロリー |
---|---|
キャベツ | 23 kcal |
レタス | 12 kcal |
白菜 | 14 kcal |
生野菜100gあたりのカロリーについて比較すると、驚くのはキャベツの栄養価。
100gあたり23kcalとレタスや白菜に比べて2倍近く多くエネルギーが含まれています。三大栄養素の含有量も加えて詳しく見てみましょう。
食品名 | カロリー | 水分量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
---|---|---|---|---|---|---|
キャベツ | 23 kcal | 92.7 g | 1.3 g | 0.2 g | 5.2 g | 1.8 g |
レタス | 12 kcal | 95.9 g | 0.6 g | 0.1 g | 2.8 g | 1.1 g |
白菜 | 14 kcal | 95.2 g | 0.8 g | 0.1 g | 3.2 g | 1.3 g |
比較するとキャベツは三大栄養素すべて(たんぱく質、脂質、炭水化物)で他の2つを上回っていることが分かります。
野菜にはあまり含まれないとされるたんぱく質も1.3g、炭水化物も5.2g含んでいるのですね。
- カロリーやマクロ栄養素はキャベツが倍近く多い
白飯をキャベツに置き換えダイエットは…
キャベツ、レタス、白菜の3種類を比較するとキャベツのカロリーの高さが目立ちますが、白飯と比べるとキャベツのカロリーはかなり低いです。下の数値を見ても分かるように同じ100gの白飯(168kcal)に対してキャベツ(23kcal)のカロリーは7分の1以下です。
なので白飯をキャベツに置き換えるのは、摂取カロリー制限において意味があります。むしろキャベツだけでは体を維持するのに必要な栄養さえ不足してしまうので気をつけてください。
続いて、ビタミンやミネラルなどのより細かいミクロ栄養素について見ていきます。
ミネラル類を比較:3種類に大きな違いはなし
食品名 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | マンガン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャベツ | 5 mg | 200 mg | 43 mg | 14 mg | 27 mg | 0.3 mg | 0.2 mg | 0.02 mg | 0.16 mg |
レタス | 2 mg | 200 mg | 19 mg | 8 mg | 22 mg | 0.3 mg | 0.2 mg | 0.04 mg | 0.13 mg |
白菜 | 6 mg | 220 mg | 43 mg | 10 mg | 33 mg | 0.3 mg | 0.2 mg | 0.03 mg | 0.11 mg |
カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類については、3種類の野菜の間で大きな違いは見られません。
三大栄養素ではキャベツが優秀だったので、ミクロ栄養素についても同様かと思いましたがそうではないようです。
続いてみるのはビタミン類。数が多いので表を2つに分けて見ていきます。
ビタミン類を比較:レタスが比較的優位
食品名 | α-カロテン | β-カロテン | β-クリプトキサンチン | β-カロテン当量 | レチノール活性当量 | ビタミンD | α-トコフェロール | β-トコフェロール | γ-トコフェロール | δ-トコフェロール |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャベツ | 0 µg | 49 µg | 1 µg | 50 µg | 4 µg | 0 µg | 0.1 mg | 0 mg | 0 mg | 0 mg |
レタス | 0 µg | 240 µg | 0 µg | 240 µg | 20 µg | 0 µg | 0.3 mg | 0 mg | 0.2 mg | 0 mg |
白菜 | 0 µg | 92 µg | 13 µg | 99 µg | 8 µg | 0 µg | 0.2 mg | 0 mg | 0 mg | 0 mg |
興味深い結果が出ました。キャベツが優勢かと思いきや、上の表内でより多くのビタミン類を含んでいるのはレタスや白菜です。
特にレタスはベータカロテンやレチノール活性当量において、他2種類の野菜の数値を大きく超えています。
食品名 | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャベツ | 78 µg | 0.04 mg | 0.03 mg | 0.2 mg | 0.11 mg | 0 µg | 78 µg | 0.22 mg | 1.6 µg | 41 mg |
レタス | 29 µg | 0.05 mg | 0.03 mg | 0.2 mg | 0.05 mg | 0 µg | 73 µg | 0.2 mg | 1.2 µg | 5 mg |
白菜 | 59 µg | 0.03 mg | 0.03 mg | 0.6 mg | 0.09 mg | 0 µg | 61 µg | 0.25 mg | 1.4 µg | 19 mg |
ビタミンKと葉酸、ビタミンCならキャベツが他の数値に対していくらかの差をつけています。
ビタミンCについてはキャベツとレタスとで8倍近く栄養価に違いがあります。
ただし、ビタミンCにせよ葉酸にせよ3種類の野菜の中でどれか一つが高いとは言うものの、その野菜だけで十分なビタミンが取れるわけではありません。
野菜自体はほとんど水分で構成されており、生野菜だけでビタミンを必要量摂取するには数百グラム〜数キロ分もの野菜を食べる必要があります。
摂取したい栄養素がある場合は無理に食べ物だけで取ろうとせずに、サプリメントを効果的に使うことをおすすめします。
まとめ:栄養価が高いのはキャベツ、ミクロ栄養素は向き不向きがある
以上、キャベツ、レタス、白菜の栄養価を比較してきました。カロリーをはじめとするマクロ栄養素ではキャベツが2倍近く差をつけているものの、ミクロ栄養素に関しては、成分によって向き不向きがあることが分かりました。
栄養面から見ると、とりわけこの野菜がおすすめだと言えるほど栄養価が豊富な野菜はないため、場面や好みに応じて使い分けていくのがよいでしょう。
*データの参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
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